【財シミュ改定に意義なし!異議あり!】
大阪市を廃止して4特別区に分割する、いわゆる「大阪都構想」についての財政シミュレーションの改定版が8月11日に提示された。
①日経新聞と②毎日新聞に綴られたネットニュースを確認頂きたい。
共に、大阪市が分割された特別区においても黒字となることが記載されているが、何処が変わったのかという改定の書きぶりは異なる。
①は「大阪府・市が新型コロナウイルスの影響を踏まえて見直した特別区の財政シミュレーション」と記載し、②「2020年度当初予算を前提にした新たな財政シミュレーションを公表」と綴られてある。
どちらがより正確な表現かと言えば、明らかに②である。
副首都推進局から提示された資料には「今後の財政的な影響について」として以下のような記載がある。
~合理的な根拠に基づいた適切な試算は現時点で困難だが、新型コロナウイルス感染症による影響は全国の地方自治体共通の課題であり、地方交付税や臨時の交付金等による相応の財源措置が想定される~
すなわち、新型コロナウイルス感染症による影響…税収の大幅減などは加味されていないのだ。コロナの影響を踏まえての財シュミとしては意義なし!無意味だと言える。
また、上記の副首都推進局の記載についても、問題があると指摘しておかなければならない。コロナの影響による税収減は確かに全国の地方自治体において生じるものであり、一定交付税や臨時の交付金等により補填される部分があるだろう。しかしながら、インバウンド偏重の観光関連産業重視の一本足打法が大阪の成長を支えていたとするならば、その影響は他の自治体とは比べ物にならないはずである。
その時、国の臨時の交付金が手厚く大阪にあてがわれる補償など何処にもない。
さらに、大阪市を廃止分割して4特別区を設置しても、黒字であるということは、大阪市を存続していれば黒字額はより大きなものとなることも忘れてはならない。
①日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62501240R10C20A8AM1000/
②毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/caa06ce072db161f4dcc0cfdc030c4b433d3b888?fbclid=IwAR3P5ugcMGqer4Tjr0MooELHB6lPAEp0LFn7MF9N0h0K_eQNqy3SuLxOe8Q