平成29年5月26日大阪市会本会議

【平成29年5月26日大阪市会本会議】

5.23本日、上程された決議案
『サンフランシスコ市における慰安婦像設置について再検討を求める決議案』に対して、森山よしひさ(浪速区)市会議員より討論をさせて頂きました。
サンフランシスコ市と本市とは、本年が姉妹都市提携60周年という記念すべき年にもあたります。議会としても、自治体外交として両市の友好関係を如何に構築していくかという点に注意をし、力を注いでいく必要があります。
決議案については、否決となりました。
討論内容は下記の通りです。

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私は自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表し、議員提出議案第20号 サンフランシスコ市における慰安婦像設置について再検討を求める決議案に対して、姉妹都市提携60周年を迎える本年、議会としての対話の機会があるにも関わらず決議をしようとすることに反対の立場から討論いたします。

慰安婦像については、サンフランシスコ市芸術委員会におきまして、慰安婦正義連合からサンフランシスコ市に寄贈予定の慰安婦像のデザインが1月9日に承認されるとともに、1月18日には芸術委員会のビジュアルアート委員会において、碑文についても2点修正の後、全員一致で承認されたとのことですが、慰安婦問題に関しては、一昨年の12月に日韓両国政府が、この問題を最終的かつ不可逆的に解決すること、そして今後国際社会において互いに非難・批判することを控えることで合意しており、現在、日韓両国政府が合意の実施に向け努力している最中にあります。その中で、サンフランシスコ市における慰安婦像や碑文の設置の動きはこの合意の精神を傷つけるものであり遺憾であります。

当然、我が会派といたしましても慰安婦像設置の動き自体には危惧をしておりますが、それと同時にこの問題については、サンフランシスコ市と本市のみならず、第一義的には政府が課題解決の方策を考えていかなければならない問題でもあると考えております。大阪市、大阪市会としても政府としっかりと連携を取りながらその対応策を講じるべきであり、唐突に議会において決議を行おうという動きに対しては慎重に対応すべきものであると考えます。

そもそも姉妹都市であるサンフランシスコ市と本市の間では、2013年、前橋下市長の「慰安婦制度が必要だったということは誰にだって分かる」とする発言により、サンフランシスコ市訪問が中止に、またサンフランシスコ市において「慰安婦制度を正当化する態度と発言を強く非難する」との決議を全会一致で採択された経過があります。このような関係悪化を生んだ原因を考えると、本当に悲しい思いです。

また、姉妹都市間の関係を良好に保つ役割を担ってきた本市の海外事務所も、本来であればこのような時に課題解決に向けての活躍が期待されたところでありますが、2012年にシカゴ事務所を含む3つの海外事務所が廃止されたことにより、地道な対話の努力ができなくなりました。そのような状況も本市自らが招いた中で、公開書簡を送りつけるという、ともすれば相手との関係をわざわざ悪化させる手法を取っておられることも大変残念であります。

本市としては、政府とも連携をとりながら、先ほど申し上げた経過による関係の改善を図っていかなければならない状況下にありながら、この決議をすることは、私たちの先輩や大阪市民がこれまで長きにわたって築き上げてきた友好関係を悪化させ、問題の根本的な解決から遠ざかる結果になるのではないでしょうか。

決議という手法ではなく、政府の動向を注視し、政府との緊密なる連携をとりながら、慎重に対話を重ねていくことが、姉妹都市間の今後一層の関係発展に寄与するとともに、課題解決の一歩に繋がる手法ではないでしょうか。

また、このような決議を採択するならば、本来であれば全会一致が望ましいものであります。しかし、提案者との話し合いの中で、決議案を出す一つの理由として市長の意向であるから是非賛同くださいという、信じられないお話もありました。先に述べたような対応を取るために議会での議論を重ね、様々な対応策を講じることを、改めて検討しようと申し上げさせていただいたのにもかかわらず、強行的に提案されたことは大変遺憾であるとともに、強い違和感を覚えます。

本年は姉妹都市60周年という記念すべき年であります。サンフランシスコ市との関係を混乱させ、悪化させるのではなく、この困難をあらゆる方策で乗り越えて、今後予定している様々な交流事業を通じて、両市が世界に誇れるさらなる強固な信頼関係に発展させ、今回の課題の解決に向けても着実に取り組みを進めて行きたいということを申し上げ、本決議案に反対する討論と致します。