平成29年5月16日本会議

平成29年5月16日本会議

5.16『「大都市地域における特別区の設置に関する法律」の廃止を求める意見書』案を提出し、政調会長の永井議員が賛成討論を行いました。
法的拘束力のある住民投票を経験した大阪市だからこそ、その問題点を残した根源となる国の法律の不備を正すべく、法律の廃止を求めた意見書。
残念ながら否決となりました。
しかし、住民投票までに費やしてきた約32億円もの血税を無駄にしないためにも、問題の多い同法を市民の皆様にも、しっかり見つめなおして頂きたいと思います。
討論内容は下記の通りです。
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私は自民党・市民クラブ大阪市会議員団を代表いたしまして、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」の廃止を求める意見書案に対しまして賛成の立場から討論をさせていただきたいと思います。
大都市地域における特別区の設置に関する法律第4条及び地方自治法第252条の2の2第1項に基づいて平成25年2月1日付けで大阪府・大阪市特別区設置協議会規約を定めたうえで、特別区設置協議会が設置され、その後平成27年5月17日に大都市法7条に基づいて「住民投票」が実施され、特別区設置は反対多数で否決されたところであります。
しかしながら同協議会の運営に当たりましては、民主的な合理性を欠く運営が行われたことに加えまして、協定書の作成及び住民投票の実施を通して様々な課題や問題点が明らかになりました。
私からは意見書に示させていただいている五点について改めて指摘させていただきます。

一点目は、特別区設置協定書の承認に係る知事及び市長等の専決権の行使の制限に関してであります。
大都市法及び自治法では、特別区設置協定書の承認に係る議会の議決に関する知事及び市長等の専決権の関係について規定されていない中、前回の特別区設置協定書をめぐる議論の中で、協定書の付議を受けた議会が協定書に係る審議を慎重かつ丁寧に行おうとする態度に対して、「議会において議決すべき事件を議決しないとき」に該当するとして、首長が専決権をもって脅迫するかのごとき動きが示されたことがありました。実際に専決されることはありませんでしたが 政令指定都市を廃止することとなる特別区設置協定書の承認につきましては、その内容の重要性からみて、多様な民意を代表する議会においてのみ決せられるべき事項であって、本来、首長の専決権になじまないものであります。

二点目は、協定書の説明に係る中立性・公平性の確保の担保に関してであります。
大都市法第7条の2項では、関係市町村の長は、「投票に際し、選挙人の理解を促進するよう特別区設置協定書の内容について分かりやすい説明をしなければならない」と規定しております。
しかしながら、この度の住民投票においては、協定書の内容を説明すべきパンフレットに協定書の内容とは直接関係のない都構想に対する市長の思いが巻頭に記載されていました。
また、住民説明会においては、市長自らが説明を行っていましたが、協定書に記載のない資料をパワーポイントとして使用しながら自らの都構想実現への思いを語るとともに、特別区設置協定書に対する反対意見について批判的な見解を繰り返しました。
加えて、住民説明会参加者からの質疑応答については、多数の要望がなされたにもかかわらず、ほとんど時間を確保せず、一方的な説明にのみ終始されました。
住民に大きな影響を及ぼすと考えられる再編コストや住民サービス、財政調整制度など非常に重要な論点については、十分必要な情報を提供せず、説明の内容や表現が公平性、中立性を欠くものでありました。このような説明手法については、十分な配慮を行うよう何度も要請したにもかかわらず、受け入れられませんでした。
大阪都へ移行することのメリットをことさらに強調し、そのデメリットについては十分な説明がなされませんでした。単に、「住民投票では賛成に投票してくれ」と言わなければ、どのような説明をしても許されるというものではありません。
大都市法が分かりやすい説明を義務付けた趣旨を踏まえ、住民説明の方法等についての一定の規定を整備すべきであります。

三点目には、特別区設置協定書の選挙人による投票運動についての費用や広告放送などに関する制約に関してであります。
大都市法及び同法施行令では、住民投票における投票運動について規定されていますが、住民投票において幅広い議論を求める観点から、規制は投票の自由公正を確保するための必要最小限の範囲とするという考え方のもと、選挙運動に比べて大きく規制が緩和されています。 しかしながら、この度の住民投票においては圧倒的な知名度を利用してのテレビCМ宣伝や多くのビラの配布などが行われ、扇情的な広報活動が展開されました。 この広告放送に関しましては、憲法改正のための国民投票運動においては投票日前の一定期間の運動に係る広告放送が禁止されていますが、これは放送メディアが時に感情に訴えることによって国民世論に対し大きな影響力を有するものであることから、国民の感覚に訴える扇情的な広告放送が集中的に流れるような事態が投票期日前になされた場合、これを言論の自由で淘汰する時間的余裕がないという懸念があるとの考え方によるものであるとされています。
また、住民投票における投票運動について、政党や政治団体が無制限に費用が投じられたことも問題でありました。費用や、さらには広告放送などに関しても一定の制約を設ける必要があると考えます。

四点目は、投票日当日の投票運動の制限に関してであります。
大阪市で行われた住民投票の投票日当日、賛成派が全国から運動員を動員して、投票所前に配置し、投票運動が行われました。
投票所前でのこのような行為によって、冷静な判断のもとでの投票ができたとは言い難い状況にありました。

五点目は、法定協議会の設置・廃止の議案を議会側から提案できない問題に関してであります。
前回の法定協議会において、会長による委員の排除など恣意的な協議会運営などが行われました。しかし、法定協議会が正常に機能していないと議会が判断した際に、議会側から廃止に伴う議案が出せません。
地方自治法252条の2-2「協議会の設置」において議決対象とされていますが、協議会の設置、廃止などについての協議の提案権は議員にはなく、市長に専属するものと逐条解説でも示されているように、一度設置されれば、議会側からは廃止できないことも大きな問題でありました。
以上が大都市法の顕著となった問題点ではありますが、問題点が解決されることが無い中で、今回、大阪市においては大阪府・大阪市特別区設置協議会規約を定め、特別区設置協議会の設置を求める議案が本年2月24日に提案されました。
先のような指摘以上に、そもそも大都市法による住民投票は法的拘束力のあるものであることから、否決されても可決されるまでは何度でも議案を提案出来るということ自体、法の主旨から大きく逸脱するものでありまして、大都市法の根本的な欠陥でもあります。
住民投票とは、主権者たる有権者の直接の投票で判断されるもの「究極の民主主義」によって示されたものであります。それにもかかわらず、その後、数か月後に実施された市長選挙で、選挙公報や公営掲示板のポスターには公約として一切書かれていない中で、選挙期間中、訴えてきたからというそれだけの理由で再挑戦することが当然であるかのような主張ができるということは、民主主義をもてあそぶものであり、まさに民主主義の危機であります。
また、前回の住民投票のように、強引な手法によって政治的な対立を煽動される中で、地域においては住民の間で、また家族の間においても「対立」や「分断」を生むなど、住民までも巻き込んで大きな遺恨を残す状況になったことに鑑みて、二度とこのようなことがおこらないように最善を尽くすことが政治の責任であると考えます。
以上の理由をもって課題だらけの「大都市地域における特別区の設置に関する法律」の廃止を求める意見書案に賛成する討論とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。